デザインのあてな

身近なところにデザインのヒント

近づくから近づいてくれる?

 

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 これからやろうとしていることに周囲が乗り気でない時、叱咤する人、強制的にやらせる人、やる気がある人だけでいいと諦める人など、いろんなタイプがいますが、私が一番効果的だと思ったある人は「近づく」という方法をとっています。歩み寄りや妥協ではなく、近づく。

 

例えば、その中の一人の乗り気でない理由が「時間的に拘束されるから」だけだった場合、そのポイントを緩和・解消する方法を相談してみる。やりたくないわけではないので、そこがクリアになれば○。ちなみに私の経験では、そこがクリアにならなくても賛同してもらえることが多く、大事なのは解消されることよりも相談の部分でした。こちら側から近づいていったから、近づいきてもらえた、というニュアンスです。自分たちの意見が正しいと確信していたり、賛同しているのが多数派だったりすると、向こうから近づいてくるべきだと考えてしまいますが、近づいてきてほしいならまずこちらから近づく必要があります。もちろん、そういったアクションを鬱陶しく思う人もいますが、それをしなければずっと近づけないままになってしまいます。

 

 

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急な依頼でも予定は変わらない?

 

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 勤めていた頃、「コレ、急ぎでやってほしい!」と頻繁に指示されて、予定していたことが進まずに不満を漏らしていた時期がありました。そして「急な案件が入ったので…」と、予定通りに進まなかった言い訳をしていたのですが、同じように急な依頼を受けている上司は、何一つ滞ることがありませんでした。

 

決してスケジュールに余裕を持たせているわけではありません。ある時、どうして平然と対応しているのかと尋ねると、その上司は「それは急でも何でもなく、普通のことだから」と返ってきました。そもそも、私が不満に思っていたことをイレギュラーとして捉えていなかったんです。続けて、「もし本当に急だったとしても、もともと

予定していた仕事を依頼した人にとって、それは一切関係ない。」と、責任感を持てと怒られました。急なんて無い。それは普通のこと。私の慕っている先輩も、ひっきりなしにいろんな予定が入っていますが、よっぽどのトラブルがない限り、基本的にスケジュールがずれることはありません。それぞれの依頼に対して責任を持って対応しているから。今の時代にはそぐわない考え方かもしれませんが、大事なことだと思っています。

 

 

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模造で観察力と表現力を磨く?

 

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 先日、あるお店のリニューアル依頼で、「今置いてある受付カウンターの横に、同じようなカウンターを置いて延長したい!」という内容が含まれていました。今置いてあるのは、お店のオープン時に大工さんが作ったカウンター。既製品で同じものはありません。

 

先方があまり費用をかけられず、大工さんに作ってもらうこともできなかったので、私は近しいものを用意することに。既製品を流用してどうにかできないか?と考え、一番近い寸法の白色の受付カウンターを購入し、寸法がピタリと合うように天板を厚くするなどの改造をしました。仕上げも、現地で観察した木目と色に限りなく近いカッティングシートで施工。納品して並べた結果、はじめからそうなっていたように見えるぐらいの仕上がりにできて、とても満足していただけました。今思えば、それは学生時代の模造トレーニングのおかげ。本物とそっくりにつくる「模造」は、観察力をアップさせるとても良いトレーニングで、自分がどれだけ観察できているかを確かめることもできます。それを繰り返すと、前回観察しきれなかった部分が次の時にはチェックできる。「模造」というと、あまり良いイメージがないかもしれませんが、トレーニングにはぴったりです。

 

 

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費用がかかると気軽に頼まない?

 

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 同じような内容の仕事でも、Aさんからの依頼では、修正が1~2回。Bさんからの依頼では、毎回10回以上の修正のやりとりがあります。Aさんは、自身も依頼を受けるフリーランス。時間や費用をシビアに捉えていることもあり、自身が支払う・受け取る費用に対しての適正な時間の認識があります。

 

もし、何かを依頼するたびに費用が発生するとしたら、私たちはできるだけ依頼を少なくしようとします。ネットショッピングで1回ごとに配送料がかかるとしたら、商品をまとめて注文するのと同じ。1商品ごとに注文することはしません。そこに費用が発生しているという認識。それは会社の中でも同じで、誰かに依頼するということは、その分だけその人の人件費が発生しているということです。気軽に何度も依頼してしまうのは、費用の認識が薄いから。費用がかかるなら気軽に頼まない。費用がかからない(と思っている)から気軽に頼む。相手の負担を少なくしようという気持ちがあれば、費用をそこまで気にして仕事をする必要もないと思いますが、もしそこが欠けているようだったら、費用を明確にした方がよいかもしれません。

 

 

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カタチにするまでのスピード?

 

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 アーティストやレコード会社から引っ張りだこの人気音楽プロデューサー。絶賛される理由の1つに、「カタチにするまでのスピードが誰よりもはやい!」がありました。もちろん、アーティストの魅力を立たせる力や発想力もありましたが、多くの人が共通して語るのが「スピード」でした。

 

人気音楽プロデューサーと同じ仕事の質とは言えませんし、その話を聞いたからではありませんが、私もスピードを強く意識して仕事をするようにしています。すごく極端な言い方をすると、質よりもカタチにするスピード。決して質をないがしろにしているわけではなく、まずカタチにして、そこから再検討した方が最終的に良いモノになることを経験してきたからです。それを続けてきたこともあってか、周囲の人が私の強みを語ってくれるときは大半が対応スピード。私の実際の能力はさておき、周囲のそれだけの人が私と同様に「スピード」を魅力と感じているということです。もし、自分に端的に語ることのできる魅力がないと感じていたら、「スピード」を魅力にしてみるのがオススメ。少し意識するだけで誰にでもできることなので、まずは「いつできる?」と催促されないぐらいにしてみると周囲の見る目が変わるかもしれません。

 

 

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誰かと競う必要はない?

 

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 私は自分より上のステージにいる人や明らかに能力が高い人と競おうとします。自分がどこまで通用するのかを知りたいという好奇心と、自分も上のステージに行きたい気持ちからくる行動ですが、一番の理由は、そうしていないと今の状態すら維持できないと思っているからです。

 

誰かと競う必要はない。私の競争心についてそうアドバイスされることが多く、言われて「確かに…」と思うばかりですが、比較されて選ばれる仕事ということもあり、どうしても意識してしまいます。アドバイスをもらうたびに考えるんですが、つい先日もその話をされ、もしかすると私は自分を誰かに認めさせたいだけなのかと思いました。比較対象があれば、その分野について知らない人から見ても、競って勝った方が上だと分かる。一方で、自分で高みを目指しているだけでは、側からは良いのかどうか分からない。どう見えているかばかり気にしていて、自分に自信を持てずに何かに怯えているのでしょう。「自分の道を進めばいい」そう思えるだけの自信を身につけられたら、ようやくその考えに移行できるような気がしています。

 

 

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居ない所で自分の話?

 

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 継続的に依頼を頂いているある分野の仕事は、自分から営業をかけたことがありません。はじめに仕事をした人が、別の誰かに私のことを話してくれて、またその人が誰かに話して…といった具合で、有り難いことにいろんな知らない会社から依頼を頂けています。

 

私の場合、これといって特別なことはしておらず、たまたまそうなっただけ。ただ、自分たちの認知度を上げたり、何かをたくさんの人に見てもらうには一番効果的な方法だと思っています。いかに自分の居ないところで自分の話をしてもらえるか?「おもしろいことをやっている人がいてね…」「この前、こんな人に会ってさぁ…」など、珍しさやインパクトだけでなく、話したくなるような話題や特徴があると、それを誰かに話してもらうことができます。特出した能力がなくても、全力でやる人、真面目な人というだけでも十分な材料。「この人の力になりたい!」と思ってもらえることも少なくありません。情報を拡散したいとき、突拍子もないことや奇抜なことをしなくては!と思ってしまいがちですが、それよりも、相手が自分のことを誰かに話してくれるとしたら?と考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

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必要なオリジナリティー?

 

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 先日、仲の良い先輩と飲んでいたら「キャリアのVSOP」という話題になりました。20代はVitality、30代はSpeciality、40代はOriginality、50代はPersonality。私はもうすぐ40歳になるので、そこから10年はオリジナリティー(自分らしさ)を追求していくべきだという話でした。

 

これが分かるようでなかなか難しい話で、専門的な知識やスキルに基づいた自分にしかできないアウトプットをする。とりわけ自ら何かを生み出すことに注力すべきだという内容です。難しいと感じてしまったのは、私はデザイナーという仕事柄、これまでそれをやってきたつもりだったから。ただ「自ら何かを生み出す」については、これまでは誰かから与えられたことについて生み出してきたと捉えると、確かに自分発信で生み出すことは少なかったと思います。誰かに与えられる側から、自ら発信する側へ。このブログも、自分からやりだしたようで誰から勧められたことですし、たまに行なっている自主制作も、誰かから課題を与えられています。私がこれから必要になるのは、自らから生み出すこと。いろいろと考えて動いて、オリジナリティーとは何かを模索していきたいと思います。

 

 

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楽しそうな人ほど裏側で努力?

 

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 側から見て楽しそうに仕事をしている人。「楽しそうなことばかりやってて羨ましいな~」なんて思われてしまいがちで、それはそれでよいのですが、当然その分だけ裏側で努力をしています。辛いことをやっている姿を周囲に見せていないだけ。

 

華やかな場所で楽しそうに仕事をしている姿を見て、憧れてその会社に入ったものの、実際は地味で辛い仕事ばかり…。それまで持っていたイメージとのギャップで、すぐに嫌になって辞めてしまう人が多いと、ある会社の人事の方から話を聞きました。特に私が気になった辞めていった人の不満は、「あの人が楽しい仕事をやっていて、私が面倒な仕事をやっている」という話。楽しいことと辛いことを別モノとして考えているわけです。楽しく仕事をしている“あの人”は、その分辛いこともやっている。楽しいと辛いは裏表の1セットです。辛いことをやった分だけ楽しいことがあるなんて都合よくはできていませんが、楽しいことの裏側には必ず辛いことが隠れています。あなたの近くの楽しそうに仕事をしている人は、きっと楽しいことをたくさんやるための努力をしているはずです。

 

 

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上手いこと言おうとしない?

 

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 例え話をしてしまうことはありませんか?このブログもそうですが、私は良い例えが思い付くとつい使ってしまいます。「上手い例えだな♪」なんて満足感に浸ってしまうんですが、先日ある人から「それ例える必要ある?」とツッコまれました。例えなくても、むしろ例えない方が伝わる内容だったからです。

 

例え話は、ややこしい話や難しい内容を理解しやすいように使うことが多いと思いますが、ピンとくる人にとっては理解が深まるものの、その例えが分からない人は余計に頭がこんがらがって「ん?? 」となってしまいます。抽象的すぎたり、相手がよく知らないことで例えてしまったり…。もちろん、誰もが理解しやすい例え話で、例えることが適切な相手や場面であれば、用いてしかりです。ただ、そこに用いる必要性が感じられなければ、どんなに分かりやすい例えであっても使わない方がいい場合もあります。特に、賢い人には通用しません。例え話を使わないように気をつけようと一応は心掛けているんですが、上手い例えが思い付くとやっぱり言いたくなってしまいます。例えずに分かりやすく伝えられるように気をつけます。

 

 

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得意分野で攻める?

 

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 今年のゴールデンウィークは夫婦ともに仕事をしていて、休みもなかなか合わなかったので、遊びがてら二人それぞれで来年の年賀状コンペに応募する作品をつくりました。妻はデザインに関わる仕事はしてきたもののつくる方のテクニックは持っていません。そんな妻が考えたのは、お菓子を作ってその写真を撮る作戦です。

 

「自分が一番得意なのはお菓子作り。だから、お正月や干支をモチーフにしたお菓子を作って、それを写真にした年賀状なら勝負できるかもしれない♪」イラストやグラフィックデザインが上手な人がたくさん応募するコンペで、自分が戦えるとしたらそこだと考えたわけです。自分の得意分野で攻める。その分野の経験が無くても、別の経験を生かして活躍している人は世の中にたくさんいますし、デザイン経験がないからといって、デザインができないわけではありません。結果的に、お菓子の年賀状は私が仕事の合間でつくったものより魅力的な作品になっていて、得意なことが全面に出た作品はチカラがあるのだとあらためて感じました。皆さんも未経験の分野で、自分の得意を生かしてみてはいかがでしょうか。

 

 

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手書きの温かさはデータになっても残る?

 

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 先日ある会社に行ったら、ロゴ案を机にバッと並べて検討していました。たまたま居合わせた私も声を掛けられ、どれがよいか意見を求められたので、「私はコレがよいと思います!」と伝えたんですが、それは数ある提案の中で唯一の手書きデザインでした。他はパソコンで作ったロゴ。手書きの温かさは、それがデータになったとしても残っているものですね。

 

誰かとデザインの話になると、私はよくそのデザインに込められた想いや熱量の話をしてしまいます。モノを介しても伝わると考えているからです。たとえそれが手作りではなく工場で機械が作る量産品であっても、アナログをデジタルに置き換えたモノであっても伝わる。私はそう思って、日々デザインに向き合っています。以前、私が冷めた感情でデザインしたモノを後日見てくれた人から「冷たい感じがする」と言われてしまったのは、今でも鮮明に覚えています。今回のロゴ検討の場でも、それを感じることができて、なんだか嬉しい気持ちになりました。よくよく聞いてみると、私が選んだロゴは、デザイナーのお母さんが手書きしたデザイン。自分の子供からお願いされて書いたロゴなら温かいわけです。

 

 

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論理的な答えは他の人も出せる?

 

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 学生時代、感性に任せてデザインを考えても周囲に敵わないことを痛感し、論理的に考えて答えを導き出す力を磨くようになりました。その結果か分かりませんが、今になるまでなんとかデザインの仕事を続けられています。でも、その論理的に考えて答えを出す方法が通用しない場面を何度も経験してきました。通用しないと言うと語弊がありますが、言い方を変えると、同じ答えを出してしまうから私は選ばれない。

 

私は何かのデザインを考えたときに、必ず同じようなものが世の中に無いかを確認するようにしているんですが、結構な割合ですでに世の中に存在しています。それは、論理的に導き出した答えだから。その思考の人が考えやすいアイデアだからです。オリジナリティーを出すためには、感性を盛り込まないといけない。特に、新しい価値観や手法を求められるようなケースでは、感性を生かして発想することが必須です。だから私は、数年前から必死で感性を磨くようになりました。デザインの仕事をしている人のとっては当たり前かもしれませんが、論理的思考と感性の両面からデザインを考えるようになってから、必要としてもらえることが多くなった気がします。

 

 

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成り行きで仕事を進めてる?

 

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「あれ、どうなってる?」「返事待ちです!」上司と部下の関係で、そんなやりとりをよく聞きます。でも、ちょっとおかしなやりとり。確認した上司はいつ返事がくるのかを聞かないといけないし、確認された部下はいつ返事がくるのかを伝えなければいけません。

 

そういった仕事のやり方になっていると、「メールで送ったんですけど…」なんていう言い訳をついしてしまうんですが、自分の仕事の役割をきちんと理解してないからそうなってしまうのではないかと思っています。返事をくれるよう伝えるのではなく、期日までに返事を受け取るのが役割。相手が期日を守ってくれないのであれば、それはその人の進行管理のスキル不足だと捉える。もちろん、こちらが何か無理なお願いをしていて特に急いでいないのであれば、相手に返事のタイミングを委ねてもよいときもあります。しかし、それでもざっくりのいつ頃返事をしてもらえるかは確認しないといけない。仕事が遅い!などと言われてしまう人は、成り行きで仕事をしている傾向があります。許可が出たら実行するのではなく、いつまでに許可をもらっていつ実行する。進まないのは自分が原因となれば、進め方はおのずと変わるはずです。

 

 

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