プロがプロに教えることはない?
私はデザイナーとして仕事をさせてもらっていますが、まだまだ自分の力を未熟に感じていることもあり、あるとき出会った第一線で活躍しているデザイナーさんに「デザインを教えてもらえないか?」と懇願したことがあります。もちろん、そこにには少なからず憧れもあり…。でも、その返事は意外なものでした。「プロがプロに教えることはない」
断られるのは承知の上でしたが、私はてっきり「教えてもらえるだけの土俵に上がっていない」か、「特別扱いはしない」「教える時間がない」といった理由だと思っていました。でも、もらった答えは全く別。「同じプロとしてやっている以上、基本的なことは学んできたはず。そこから先は自分で学ぶだけ。」そういうことだったのだと思います。その時の会話で“プロ”という言葉が何度も出てきたのが記憶に残っていて、それだけプロ意識を持って仕事をしているのだと今思い出しても恥ずかしくなります。デザインは他人に教えられるものなのか?といった質問は、私もこれまで何度かもらったことがありますが、確かに教えられることは基本的なところだけで、細かなニュアンスや感性によるところは人それぞれ。教わるところは限られていて、自分で学ぶしかないのかもしれません。