デザインのあてな

身近なところにデザインのヒント

そのお手本で安心する?

 

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「実際にこんな商品が世の中にあったから、私の発想は間違えていないはず!」学生時代はそんな勘違いをしていました。先生にダメ出しされた自分のアイデア。同じようなアイデアが世の中で具現化されていることに納得できなかったわけです。

 

世に出ているということは、それが素晴らしい物であるということ。そう思ってしまいがちですが、それがまず間違い。世の中には良くない表現や詰めの甘い商品もあります。先日、電車の広告を妻と見ていて「この文章じゃ届かないよね」という話になりました。立派な広告で、注意深く見なければちゃんとして見える広告。そこには「きっと誰かが寄り添ってくれる」といった文章が入っていましたが、自分たちが対象者をサポートしたいことを伝える広告なのに、ぼんやりとした他人事に聞こえるその文章は、私にとって決して最適な表現ではありませんでした。世の中には、素晴らしい見本はたくさんあります。一方で、わるいとは言わないまでもそこまで良くないお手本もたくさんある。自分と同じ発想を探して自信が持てたり、安心したりできる気持ちは私もよく分かりますが、自分の間違えに気付けない危険もそこにはあります。

 

 

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