デザインのあてな

身近なところにデザインのヒント

1万円の日用品?

 

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 ここ2~3年持ち歩いて使っているボールペンは、妻がプレゼントしてくれたほんの少し高価なモノです。もらって使いはじめた当初は「これ高いやつだからなぁ~」と毎回ペンケースにしまって緊張しながら使っていました。でもずっと使い続けた結果、今は胸ポケットやノートに差したりして気軽に使うようになりました。ようやく私にとって“日用品”になった感覚です。

 

例えばバカラのグラスを「これは日用品です」と紹介されても、たぶん大抵の人は使うことすらためらいます。記念日などにワインをあけるときにだけ使ったりする感じ。使わずにずっと眠らせている人や、飾ったままの状態の人が多いのではないでしょうか。だからその人たちにとっては日用品ではありません。でも、そんな高価なグラスを使いはじめてみて、使うことを意識しなくなってくるとある時“日用品”に変わります。そんなことを考えていたら、日用品の定義は、はじめからそのモノが持っている立ち位置というより、使用者とモノの関係性ではないかと思いました。一万円のボールペンを使うことがこの先もずっとなければ、それは“日用品”になることがないのかもしれません。

 

 

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