デザインのあてな

身近なところにデザインのヒント

捨てたはずの要素が入ってる?

 

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 提案などで「今回は〇〇という従来の考え方を捨てて、新しい…」と主張しているのに、その提案には従来の考え方が踏襲されているケースがよくあります。なかなか気づきにくかったりするんですが、経験が豊富な人はすぐにそこに疑問を抱いてしまうわけです。「えっ、捨てたんじゃなかったの?」

 

あまり分かりやすい例えが浮かびませんが、例えば椅子。「背もたれに寄りかかるという従来の考え方を捨てて…」としているのに、後ろではない方向にもたれかかるアイデアや、背もたれに代わる機能を持たせた提案をするようなことです。新しい提案をしているようで、実はそれは既存のアレンジ案。また、「この椅子は背もたれがなくても座りやすいように…」と、背もたれのある椅子を意識した説明をするのも同じ。従来と比較しても遜色ないと言いたくなるのはよく分かりますが、その前提を無くしたのならそこをフォローする必要はありません。新しいことを考えたい。固定概念に囚われたくない。そう思えば思うほど、実はそこから離れられなくなってしまう傾向が…。新しいことを考える人は、本当に捨てたことを捨てて考えている印象があります。

 

 

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