双方の不便を解消すれば普及する?
私が便利だと感じたあるサービスが世の中に普及しない理由を知りたくて、学生時代に先生に尋ねたことがあります。その時に答えは、「双方の不便が解消されていないから」でした。一方の不便は解消されて便利になっても、もう一方の負担が増えていたら普及はしないという考えです。それを聞いて、ものすごく納得してしまいました。
例えば、お店のトイレ。自分が使用中にドアをノックされるのは嫌です。利用しようとしている人も、ノックをするのは嫌ですし、目の前まで行かないと使用中か分からないので不便を感じます。そこで、お店のどこからでも見える目立たない位置に、使用中はランプが点灯するようにした商品が生まれました。双方の不便を解消するアイテムだから普及したというわけです。いろんな人が便利になるアイデアをたくさん考えていますが、それらは一方の不便だけを解消するものだったりします。お客さんが便利に利用できるためには?という視点は重要ですが、もしそういった便利になる方法を考える機会があったら、もう一方も便利になる方法を考えてみるのがオススメです。