デザインのあてな

身近なところにデザインのヒント

使わないときのカタチ?

 

f:id:kazuhotel:20190203194416j:plain

 

 前後に子どもを乗せるタイプの自転車。最近は重心の低いデザインなど、いろいろなタイプの自転車がありますが、先日、前の子どもを乗せるシートがパタッと前傾している自転車を見かけました。圧迫感のあるシートが邪魔にならず、お父さんが1人で快適そうに乗っていました。

 

以前、ソファのデザインについて、ある人にどうして見た目の美しさや個性が必要なのかと問われました。購買衝動を与えるための目的に過ぎないのではないかという質問です。座ったときには外からの見た目は関係ないし、座り心地が良いことがソファに求められることではないか?と。私は、学生時代に先生から言われたことをそのまま伝えました。「使っていないときのカタチを考えなさい」ソファなら、座っているとき以外はリビングに置いてある状態がいろんな場所から目に入ります。むしろ座っていない時間の方が長い。だから佇まいが美しいことは必要なこと。デザインを考える際、機能性を重視した商品になるほど、その見た目、特に使用していないときのカタチについて優先順位が低くなる傾向があります。でも、そこは実際とても大事なところ。鼻歌を歌いながら快適そうに自転車に乗るお父さんを見て、あらためてそう思いました。

 

 

f:id:kazuhotel:20160612063723j:plainf:id:kazuhotel:20160612063723j:plain