デザインのピント合わせ?

カメラでピントを合わせるときには、被写体に合うようにカメラマンが調整してキレイな写真が撮れるわけですが、時には被写体側が調整してピントが合うということもあります。ピントの合った写真が撮れたとしても、それは撮影者のおかげだけとは限りません。
仕事でデザインした商品が売れたとき、若い頃の私は、自分がお客さんの需要にピタリと合ったデザインをしたと思ってしまいました。もちろん合わせにいってはいますが、バッチリ合う商品なんてそうそう作ることはできません。結果がついてきたのは、お客さんも合わせにきてくれたから。自分がお店で買い物をするときを想像すると、ピンポイントで自分が欲しいそのもの!ということはほとんどありません。「これ、欲しいと思ってたものに近いな♪」「この部分は惜しいけど欲しい!」など、90点ぐらいの商品を見つけたときに、自分で足りない10点を補正しています。「でも、これはこれでいいな♪買おう!」100点満点のモノを提供しようとして仕事をするのは言うまでもなく大事なこと。ただ、結果が伴ったとしても、そこにはお客さんの歩み寄りがあることを忘れてはいけないと思っています。