量が質を高める？

　たくさんのバリエーションのあるデザインを検討する際、私の知っているあるデザイナーは、必ず全パターンの模型を作ります。「２つ３つ作れば、他も同様に…」とはしません。言うまでもなく、そのデザイナーの手掛けた作品はどれも質が高いものばかりです。

量か？質か？といった話題を度々耳にしますが、私は量が質を生むと考えています。だから、どちらも求めなければいけない。量より質、質より量、などと考えるのはそもそもおかしなことで、「効率を求める代わりに質を下げる・時間をかければ質の高い仕事ができる」という話と同じ。量も質もどちらも重要だし、短時間で質の高いモノを仕上げることを求めるべきです。あらゆる分野の一流の人たちの言う「量より質」は、とてつもない量をこなしてきたから言える言葉。質を求めていても、いろんなことを試しているという点では、しっかり量にこだわっています。先日聞いていたラジオでは、ゲストが１つだけ話したエピソードトークが絶賛されていましたが、そのゲストが出演にあたって用意していた話は５つ以上あったそうです。私はそういうことだと思っています。