デザインのあてな

身近なところにデザインのヒント

手間の価値?

 

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 洗わずに食べられるカットされた野菜。袋を開けてレンジでチンするだけの簡単調理。便利で効率の良いモノやサービスがどんどん増えて、手間をかけることに抵抗のない人でも、手間をかける機会自体が無くなってきているような気がします。

 

私の父は登山が趣味で、還暦を過ぎた今でも時間ができたら本格的な山登りに出掛けています。自分で登る道を考えたり、日程や乗る電車をあれこれ考えるのが楽しいみたいで、山頂でお湯を沸かして入れるインスタントコーヒーが格別だそうです。もしそれを、最適な登山コースと電車が即座に提示されて、山頂で美味しいコーヒーを提供されると置き換えてみたらいかがでしょう?どんなに便利で快適でも、同じワクワクや感動は味わうことができません。私が携わっているデザインの分野でも、だいぶ前からそういった“豊かさ”を考えるようになっていて、造形美や機能性、コストパフォーマンスだけではない魅力に価値を置くようになっています。様々なサービスが私たちの生活を便利にしているのは事実ですが、一方で本当の“豊かさ”を提供できていない点もあります。私たちが生活をしていて不便を感じることはあまり多くはありませんが、だからこそ考える必要があるのかもしれません。

 

 

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