一瞬で伝わらなくてもいい?
広告などでは、一瞬で伝わることが重要だと言われます。狙ってやる場合を除いて、こちらが頭の中で意図を変換したり、読み込まないと分からない表現は極力避けます。ただ、それはあくまで広告の一部での話。でも、そういったやり方に慣れて、他のことも広告的に表現してしまうことがあります。具体的に例を挙げると、強い表現で目を引こうとする。
街中で一瞬だけ目にする広告ならそれで良いのですが、それが雑誌になったら?人がしばらくそこにいる場所だったら?自ら参加したイベントの中での広告だったら?と考えると、そこで求められる表現は変わってきます。広告を設置するのが待ち合わせをするような場所だったら、ちょっと気になるぐらいでもじっくり読んでもらえるかもしれないし、自ら興味を持って参加しているイベントの中だったら、向こうから感心を持って近づいてきてくれるかもしれません。そこで、必ずしも鋭いキャッチコピーや強烈なビジュアルは要りません。同じものをつくっている感覚でも、置かれる場所、見る人、時間帯、滞留時間…で表現は変わる。表現によっては、せっかく感心を持って見ようとしてくれた人さえ遠ざけてしまうこともあります。