
こんなに考えたぞ!と意気込んで何十案も持って行ったのに、はじめの2~3案を見て「あっもういいや…」と帰されてしまう。若い頃はそんなことがしょっちゅうありました。提案の質が低かったことは言うまでもありませんが、一番ダメなのは似たり寄ったりの案をいくつも持って行っただけだったからです。
似ている案は1案と同じ。実際に数多くの提案を求められていることもありますし、たくさん出してこちらの意気込みを汲んでもらいたいと思うこともあります。ただそこで、提案数を増やすために同じようなものをいくつもつくっても意味がありません。それはバリエーションを増やしているだけ。「1案目はこの黒色のデザインです。2案目は白色です。3案目は黄色です。…」と同じこと。提案の数を増やすのであれば、1案目とはちがうアイデアでなければなりません。もし仮に細かなニュアンスの違いを見比べて欲しいのだとしても、そこは自分で自信のある1つに絞らなければいけない。そこで引っかからなければ、ニュアンス違いの方も引っかかりません。見る人が見れば、たとえ1案であっても裏側の100案が分かります。