背景描写に力を入れる？

　先日、アニメ作品の「未来のミライ」を借りて観ました。内容はさておき、冒頭の描写が素晴らしく、言葉にせずに伝えられることがこれほどあるのかと感動しました。冒頭の数秒で、主人公の住んでいる土地の風土や環境、そこに住むことになった背景、住む人の所得から交通手段までが分かりました。「主人公は○○の街に住んでいて…」なんて語りは必要ありません。

アニメの世界では、背景描写に特に力を入れるそうですが、リアリティーのためだけではなく、設定が細かいほどその世界に入り込めます。そして、設定説明が省けて言葉にする内容が少なくなった分、キャラクターのセリフが深く入ってくる。さすが世界最先端の日本のアニメ。勉強になることばかりです。私たちがポスターなどで何かを伝えようとすると、伝えたいが先行してか、言葉をたくさん詰め込む傾向があります。「それ、写真を見れば分かるよ」「言わなくても常識的に分かる」といったことも重ねて言葉にする。結果、一番伝えたいことが薄れていきます。言葉でなくても伝えらえること。言葉でなければ伝えられないこと。それを整理するだけでも、伝わり方はグンとアップするような気がします。