小細工と工夫の違い?
若い頃、デザインの提案をしたときの反応が大きく2つに分かれていました。一刀両断されるケースと賞賛されるケース。当時はどちらも同じように提案している感覚でしたが、今思えば全く異なる内容の提案で、反応がそうなるのも当然でした。
簡単に言うと、小細工をした提案は「×」で、工夫をした提案は「○」。ただの屁理屈に聞こえるかもしれませんが、これは全くの別物です。内容が薄いのを誤魔化すように取り繕ったのが小細工。小細工は、それを全て取り払うと、薄っぺらいものだけが残ります。一方で、アイデアをより良くするのが工夫。工夫は、それを取ってしまうと魅力が半減します。具体的には、提案書に飾り枠をつけたり、カッコ良くしたりする言わば化粧です。それがあってもなくても内容は変わらない…。やるべきは、アイデアの展開や実現性を高める方法を考えること。限られた時間の中で提案をしなければならなかったりすると、内容はほどほどに小細工に時間を割く人と、提案書はシンプルになったとしてもギリギリまで内容を考える人に分かれます。言うまでもなく、必要とされるのは後者。書類がオシャレかどうかで内容の判断が変わる人はたぶんいません。