ビギナーズラックの正体?
最近は、学生さんたちの素晴らしい作品をよく目にします。ただ、世間から評価を受けているそういった作品に対して、ビギナーズラックだと揶揄する人もいますが、仮にそれらをビギナーズラックとするならば、そこにはプロには真似できないとてつもないパワーがあると思っています。
何かのデザインを考える際、例えば私なら、いろんな可能性を模索します。その上で、一番良いと思うところを掘り下げてアイデアを練っていくわけです。しかし、学生さんは、良い意味でやみくもに探して、自分が良いと感じたものを一気に掘り下げて進むパワーを持っています。もちろん、全員が全員そうしているわけではありません。ただ、ココ!と決めたことをひたすら磨き上げようとするのと、ベストなところを探しに探してそこから磨きはじめるのでは、仮に全く同じアイデアの場合、到達できるポイントに差が出てしまいます。決め込んで突き進んだアイデアがバッチリ当てはまったとき、それがビギナーズラックになる。プロの求められるのは、他の可能性も十二分に検討した必ず当たるアイデアを考えて、さらに他の人たちの到達点よりも深くまで掘り下げて表現することなのかもしれません。