
学生時代、感性に任せてデザインを考えても周囲に敵わないことを痛感し、論理的に考えて答えを導き出す力を磨くようになりました。その結果か分かりませんが、今になるまでなんとかデザインの仕事を続けられています。でも、その論理的に考えて答えを出す方法が通用しない場面を何度も経験してきました。通用しないと言うと語弊がありますが、言い方を変えると、同じ答えを出してしまうから私は選ばれない。
私は何かのデザインを考えたときに、必ず同じようなものが世の中に無いかを確認するようにしているんですが、結構な割合ですでに世の中に存在しています。それは、論理的に導き出した答えだから。その思考の人が考えやすいアイデアだからです。オリジナリティーを出すためには、感性を盛り込まないといけない。特に、新しい価値観や手法を求められるようなケースでは、感性を生かして発想することが必須です。だから私は、数年前から必死で感性を磨くようになりました。デザインの仕事をしている人のとっては当たり前かもしれませんが、論理的思考と感性の両面からデザインを考えるようになってから、必要としてもらえることが多くなった気がします。