デザインのあてな

身近なところにデザインのヒント

足りていない?

 

f:id:kazuhotel:20200525060528j:plain

 

 10万円の花瓶。それがどんなに高価な材料を使っていて、どんなに手間がかけられていて、どれだけ貴重なものか十二分に理解しても、きっと私は買いません。単純に私にとっては高すぎるから。でも、その花瓶をつくった人の届けたい相手が高所得者であれば、それでよいと思っています。

 

ただ、もしそれを平均的な所得の人たちに届けたいと思っていたら、それは私の中では少し違う。なぜなら、そもそも平均的な所得の人が手にするモノではないからです。素晴らしい工芸品も、高価な食器も、庶民が使っていたわけではありません。それを、単純に価格を安くすればよいと言っているわけではなく、その価格でも購入したいと思えるまで、納得してもらえるまで伝えなければならないということです。「こんなに素晴らしいのにどうして買ってくれないんだろう?」といった悩みを持つ人に対して、どれだけのことをやっているか尋ねると、大抵は「ここまでやってる!」と主張します。事細かに商品について伝えているし、動画も撮ったし、SNSもやっているし、百貨店にも卸しているし…。それで、足りていると思っているうちはきっと届かない。相当難しいことではありますが、ただただ足りるまでやるしかないと思っています。

 

 

f:id:kazuhotel:20160612063723j:plainf:id:kazuhotel:20160612063723j:plain