相手が良いと思うものをつくる?

相手が良いと思うものをつくるべき。誤解のないように補足すると、これは相手の言うままにつくるという意味ではありません。デザインする側の考えはきちんとあるべきで、ただそれが相手が良いものになっていないとあまり意味がないということ。こちらの満足やプライドを優先してつくっても、まず上手く機能しないし、何より仕事として成立していないからです。
中には、求められることに応えるのにマンネリを感じたりして、自分でつくりたいものをつくる人もいます。それについて私は、半分賛成で半分反対。前向きで行動力のあるところは素晴らしいと思いますが、第三者の評価なしに作ったものにはどこか力が足りません。商品なら売れないし、作品なら見てもらえないし、広がっていかない。デザインしたものをつくってもらう会社がNOと言ったらそれは売れないし、YESと言ってくれたら売れる可能性があるということ。異なる視点が混ぜて成立させていくから、きちんと力を持ったものになると考えています。私も何かをつくりたい!と思うことはしょっちゅうですが、そんな考えがあるので自分の判断だけでつくることは避けてきました。