デザインのあてな

身近なところにデザインのヒント

安い方、安い方?

 

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 チラシなどの販促物をつくる。そんな機会が増えると、「もっと安くつくれないか?」と、とにかく安いところを探してしまいます。確かに安くつくれるに越したことはありませんが、その考えは少しズレている可能性があります。

 

ノベルティを配ってお客さんに興味を持ってもらいたい!...すると、無料で配れるぐらいの単価でつくれるものを探します。でも、安く作ってたくさん配ることと、多くの人に興味を持ってもらうことは一致していません。たくさん配っても、もらって嬉しくない物だったらまず興味を持ちません。逆にたくさん配ることができなくても、もらって嬉しい物だったら興味をもつ可能性がある。安くつくることに限らず、自分のお店で商品を買ってもらうための広告なども同じで、単価の安い方法で多くの人に知ってもらうことが、必ずしも集客につながるとは言えません。単価が高くても興味を持ってもらえそうな人にアプローチした方が効果があるかもしれない。作りやすい方法、少ない出費で済む手段、ついついそっちに目が向いてしまいますが、より良い結果を出すために何をすべきか?と考えないと、「前回よりも安く発注できた♪」と変なところで満足してしまうかもしれません。

 

 

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ドサクサに紛れて勉強?

 

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 私はよくドサクサに紛れて情報を手に入れています。観光名所なら、団体ツアーのガイドさんの説明を遠巻きに聞いてみたり…。自分が手に入れたい情報は、自ら調べたり本を買ったりして学びますが、そこまで手にれたいと思っていない情報は主体的に動くことが少ないので、ふとした時に仕入れるようにしています。

 

先日、ある会社で作業をしていたら、すぐ近くで映像編集のイロハを先輩が後輩に教えていました。聞き耳を立てていると、「男性の低い声と女性の高い声が交互に入る場合は…」「画変わりが多いと話が入ってこないから…」など、なるほどなぁと思う情報がたくさん♪普段、自分から映像編集を学ぶことはなかったので、とても勉強になりました。若い頃から、自分が興味のないことも勉強しなさい!とよく言われてきましたが、実際に手を伸ばすのは自分の興味分野の近いところぐらいで、全く離れた分野のことには自ら手を伸ばしていませんでした。そこで、受け身で学ぶように。言うまでもなく主体的に学ぶことは大事なですが、興味のないことを身につけたい時は受け身で学んでみるのもオススメです。

 

 

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感じ取れる伝え方?

 

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 よく行く居酒屋さんで焼酎の富乃宝山をボトルで入れました。そのラベルを眺めていたら、アルコール度数25%の隣に「気合度数120%」の文字。裏面に小さく書かれたさりげないユーモアに気持ちがほっこりしてしまいました。

 

「頑張ってつくっている」は、どこの酒蔵も同じなので言うまでもないこと。ただ、富乃宝山のように前面で主張せず、ユーモアを交えてさりげなく伝えるのはアリだと思っています。当たり前のことは感じ取れるぐらいの表現で伝える。私もデザインの仕事では、当たり前のことを言うのをあまり良しとしてきませんでした。「うちの商品は高品質」「丁寧に作っています」そんなことはどこも同じで、強く言うほど逆にうさんくさい印象を与えるからです。でも、どうしても伝えたいことなら、それが感じ取れる表現を使う。「高品質!」ではなく、製造工程を隠さず見せる。「一生懸命」ではなく、作り手の真剣な表情の写真を載せる。それを見れば、感じ取ることができます。「わたしカワイイでしょ?」「オレ、カッコいいだろ!」と言う人がいないのと同じように考えてみるとよいかもしれません。

 

 

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斜めに進んでる?

 

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 道路に対して斜めに敷かれた横断歩道。私はまっすぐ直進しているつもりでしたが、横断歩道を渡りきってから振り返ってみると、完全にまっすぐではなく少しズレていて斜めに渡っていました。まっすぐ渡ろうとしても、少なからず影響を受けているということです。

 

周囲の影響は受けない!と強い意志を持っていても、その環境に少しずつ馴染んでいってしまいます。自分にプラスの影響を与えてくれる環境なら良いのですが、わるい影響を与えている場合も。自分が気がつかないうちにその影響を受けて寄っているかもしれません。環境に限らず、自分が目指している夢や目標なんかも似ていて、コレをやろう!と決めて進んでいたのに、叶えやすいことや魅力的な別のことに誘惑されて、少しずつ夢や目標がズレていったりもします。「環境は関係ない。自分が何をやるかだ!」と言いたいところですし、実際に影響を受けずに突き進める人もいるので、環境のせいだけにしようとは思いませんが、影響を受けてしまうのは事実。簡単に合わない環境は変えた方がいいとは思いませんが、自分がどのくらい影響を受けているかをたまに振り返ってみては如何でしょうか。

 

 

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冷蔵庫の中にある物は冷えてる?

 

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 冷蔵庫の中に入っている物は当然冷えているものだと認識します。でも、まだ入れたばかりで冷えていない時もある。実際に手に取っても分からないこともあって、その箱に入っている物は、その箱のイメージ通りだと勝手に認識してしまうんですよね。

 

例えば、人気のアパレルブランドで売られている商品。それは、流行を取り入れたオシャレな商品だと捉えます。一方で、比較的価格の安い大衆向けのアパレル店の商品に対しては、(言い方がわるくなりますが)流行遅れでダサいと勝手に感じてしまいます。でも実際は、人気アパレル店にもダサい商品はあるし、格安店にもオシャレな商品はある。箱と箱の中身は、必ずしも一致しているとは限りません。でも私たちは多かれ少なかれ箱の影響を受けてしまいます。「私は物を見て判断できている!」という人もいるかもしれませんが、100%箱を無視して捉えているとは言えません。以前、商店街の洋品店でカバンを買った際、「そのお店で買うの?」と言われたことがありますが、私もやっぱりその時は一瞬躊躇してしまったように思います。箱に捕らわれ過ぎて盲目にならないよう気をつけたいところです。

 

 

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開花のタイミングはそれぞれ?

 

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 梅や桜が咲きはじめる時期になると、木々を眺めては「咲くタイミングはそれぞれだなぁ」と毎年思います。自分と重ねて慰めているのかもしれませんが、実際、花開くタイミングは人によってそれぞれで、私の周りでも、学校を出てすぐに活躍しはじめた人もいれば、40歳を過ぎてから一気に花開いた人もいます。

 

花が開くべきタイミングとされている時期を通り越してしまうと、正直焦ります。来年は開くはず!ともう1年奮闘してそれでも咲かなかったら、断念してしまうかもしれません。同じ道を目指していた同級生の中には、30歳を過ぎたあたりから別の道を目指したりもしています。ただ、別の道を目指したある人は、次の年には開花していたかもしれません。というか、私からすれば十分活躍していて羨ましいぐらいの人だったので、本人がまだ花開いていないと感じていただけ。自分の周りが華やかだったりすると、自分も今そのぐらいでないといけないのだと考えてしまうんですよね。何を開花と捉えるかという点も人それぞれ、開花のタイミングも人それぞれです。…と自分に言い聞かせていますが、やっぱり焦ってしまいますね。

 

 

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詳しい人を頼る?

 

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 自分で何でもある程度できてしまう器用な人。そこまで器用ではありませんが、私も大抵のことは自分でやってしまう傾向があります。他人を頼る前に自分でできることは自分でと考えてしまうんですが、頼らないのは、“ある程度のクオリティー”で良しとしているからでもあります。

 

先日、どうしてもキレイに仕上げたい作業があったのですが、自分の知識と経験では出来ないと事前に分かっていました。アクリル板に透明のシートを貼る作業。埃や気泡が入らないようにキレイに仕上げたくて、前職で施工の仕事をしていた方の手を借りたんですが、さすがはプロ。私が求めていた以上の美しい仕上がりに、「出来そうでも頼った方がいいなぁ…」と今まで何でも自分でやろうとしていたことを少し反省しました。(ちなみに粘着シートをキレイに貼る方法は、食器用洗剤をほんの1滴入れた混ぜた水にシートを浸し、位置を合わせてから水をゴムベラなどで抜いていく方法です。)他人を頼りすぎるのもよくありませんが、全く頼らないのも考えもの。高いクオリティーを求めていたら、自然と自分よりできる人を頼るのかもしれません。

 

 

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正攻法に縛られない?

 

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 1つの環境で長い間やってきたことは、いつの間にか自分の正攻法として染み付いているそうです。「このやり方が一般的!」そして、他のやり方を求められたときに、それをイレギュラーだと感じてしまうこともあるようです。「こんなやり方もあったんだ♪」と前向きに捉える人もいれば、気分が乗らないまま仕方なく新しいやり方で対応する人もいる。

 

誰しも自分の中の正しいやり方や常識があると思いますが、それは人それぞれ違うので、共通する正しいやり方はないと考えています。以前は私も、知らないやり方に戸惑い、自分の中の正しいやり方でやりたい!と主張したり、知らないそれを拒絶していましたが、いろんな場面を経験して必要に迫られたからか、そういった知らないやり方を重宝するようになりました。時間もお金もたっぷりあるならAさんの正攻法でいいけど、時間がほとんどないならBさんのやり方、とにかくお金がかけられないならCさんのやり方がいい。今の自分のやり方で特に支障がない人でも、(自分の)正攻法に縛られないようにするだけで単純にやり方の選択肢が増えますし、視野も広がります。

 

 

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興味を持つかもしれないポイント?

 

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 先週、ある店舗デザインの打ち合わせで、イメージ画を持参しました。店名も具体的な内容もまだ決まっていない状態でしたが、方向性がある程度固まっていたので、即席の仮ロゴを作ってイメージ画に入れ込んで…。その結果、たまたまではありますが、担当の方がはじめに興味を示してくれたのはイメージ画の中のロゴでした。

 

興味を持ってもらえるかもしれないポイントをつくる(増やす)。むかし誰かから教えてもらったことなんですが、こちらが伝えたいポイントに興味を持ってもらえるとは限らないので、その足がかりになる可能性のあるポイントを作ってみるのもアリ。まず興味を持ってもらわないことには話にならないので、とにかく前のめりに話を聞いてもらえるようにするということです。見るポイントが多すぎても気が散ってしまうのでバランスは意識しなければなりませんが、アクセント的に2~3入れるのはアリだと私も考えています。もちろん、一番大事な一点で勝負することも大事なので、どのやり方が良いというのはないんですが、些細なポイントがきっかけで話が盛り上がるなど、空気づくりのネタになるようなことも提案段階では時に必要かもしれません。

 

 

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客観的に考えるから無責任になる?

 

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 自分の仕事に対して無責任になってしまったことがあります。10年以上前、自分とは重ならないターゲットに向けて、ある商品をデザインしたことがありました。結果、売れ行きがわるかったのですが、自分の責任だけではない!と思ってしまったんです。今思い返しても、恥ずかしい限りです。

 

そういった自分の仕事に無責任になってしまう理由を少し考えみたんですが、それは客観的に考えているからではないかと。自分が対象ではないから…という姿勢だから、結果に対して無責任になるのではないかと考えています。一方で、主観で考えた仕事に対しては無責任になりにくいような気がしていて、自分が欲しいもの、自分が参加したいイベント、自分が利用したいサービスなどは、結果を自分ごととして捉えているのではないかと思います。「こういう人たちならこうしそう!」ではなく、「私がこういう人たちと同じ立場ならこうする!」同じようですが、Aさんがこうしたいと考えるのと、私がこうしたいと考えるのでは、大きく異なるのではないでしょうか。

 

 

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自分でしばらく使ってみる?

 

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「自分がデザインした商品を使ったことある?」「えっ自分で買ってみたことないの?」デザインの仕事をするようになって幾度となく言われてきました。それは、自分で買って使ってみないと、気付けないことがたくさんあるからです。

 

単純にタダで手に入れたものと自腹を切って手に入れたものでは、そのものに対する捉え方が変わりますよね。さらに、それを使ってみる、使い続けてみないと良い点・悪い点が分かりません。若い頃、ネットショップをほとんど利用したことのなかった私が、ネットショップをデザインしたことがありました。「利用者はこうしたらきっと使いやすいはず!」よく考えたら、自分で利用したことのない私が、そんなことが分かるはずはありません。当然、上司から「利用してみなさい!」と指摘を受けました。批判をしたり、偏見を持っている対象のほとんどは、自分で使っていない(もしくはほんの少し使っただけ)で分かった気になっていることが多いそうですが、それと同じように、自分が関わったものを自分で使ってみないことには、それを評価することはできないと考えています。

 

 

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言われた通り+提案?

 

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 先日亡くなられた樹木希林さんの仕事ぶりについて、岸本加世子さんがこんなふうに語っていました。「まず監督の指示通りの演技をする。その後に、自分でこんな風にしたらどうでしょう?と演技の提案をするんです」この話を聞いて、自分がやってきたやり方に自信を持つことができました。

 

私もというとおこがましいですが、自分の考えを主張する前に、一度言われた通りの回答を出すようにしています。それを示した上で提案する。アドリブや自分の提案を受け入れてもらえるのは、指示通りの対応ありきの話だと思っています。たまに主張を受け入れてもらえないという声を耳にしますが、その人の主張の仕方を観察してみると、はじめから自分の提案をしている傾向があります。私もそういったやり方をしてしまった時期がありましたが、「やることやってから言いなさい!」とよく言われました。仕事でも与えられた業務をやった上で提案する。逆の立場になったら。やってほしい通りにやってくれないのはもどかしいですし、比較対象がないとその提案の方が良いのか判断できない場合も多々あります。

 

 

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デザインで分かる人柄?

 

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 数年前にある会社のインテリアコーディネートの仕事をしていたとき、1つ楽しみなことがありました。それは、どんな人がその物件を設計したか想像する楽しみです。誰が設計したのかを事前に知らずにコーディネートしていましたが、私の好きなある女性建築士さんの設計は100発100中で当てることができました。そのデザインから人柄を感じることができたからです。

 

デザインした人の好みのテイストだとか、特徴的だからではありません。そのデザインのディテールから、その人なりの配慮が感じられるからです。例えば、人がぶつけるかもしれない角張った箇所をほんの少し削ってある。そこから、対応した人の優しさが感じ取れます。私のデザインを見たことのある人と実際に会ったとき、たまに「イメージ通りの人だね」と言っていただけますが、それは私のデザインに“わたし”が出ているから。私たちが何かのデザインに魅了される理由の1つは、きっと作り手の人柄が見えるからだと思っています。逆を言えば、多かれ少なかれ人柄が出てしまうということ。あなたが惹かれたデザインは、あなたが好きな人が作っているかもしれません。

 

 

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休まず息抜き?

 

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 先日、その日に予定していた作業が急遽延期になり、4時間ほど暇な時間ができてしまいました。そんな時は暇つぶしでもしたいところですが、毎日何かしら手を動かすことを心掛けているので、気分転換にTシャツのデザインをしてみました。

 

仕事としてやっているデザインワークと仕事ではないところでのソレは、私の中では別ものですが、片方の刺激がもう片方に変化をもたらしたり、仕事でぶつかった難題をもう片方の経験が解決してくれたりするので、仕事以外でのデザインワークを大事にしています。もちろん、友達とワイワイ遊んだり、遠くまで出掛けてみたり、買い物をしたりも良い息抜きですが、個人的には仕事でやっていることを仕事ではないところでやってみるのがオススメ。程よいリラックス状態が、仕事では生み出せない結果をもたらしたりします。ほんの少しでも暇な時間ができたら、ぜひ一度お試しください。仕事では見つけられない楽しさが見つかるかもしれません。

 

 

 

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