デザインのあてな

身近なところにデザインのヒント

どこにあるのか分からない?

 

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 先日、こんな相談をされました。「ロゴをデザインしているんですが、迷走していて…」見せてもらったデザイン案は、確かにどれも依頼内容の肝を掴んでないように見えました。また、デザインで“迷走”というのがよく理解できず、表現しようとしていることや目的ははっきりしているのか尋ねると、「分かっているけどどうしたらよいか分からない」という曖昧な返答。う~ん…。

 

表現の手段を教えてほしいと言われても、表現すべきことが見えていないかったら、そこだけ伝えてもカタチにすることはたぶんできません。「こういうことを上手く表現できない」だったら、表現の手段を伝えればどうにかなりますが、「どうしたらよいか分からない」は、極端な言い方をすると、どうしてロゴを作るのか?から説明しなければいけません。まだデザインを考える土台が無い状態で、デザインを考えて!という方が難しい。だからその人にデザインを振った上司に責任があるわけです。もちろん、はじめからできる人なんていないので、それをきちんと相手が消化できるまで教えないといけない。どこにあるのか分からないものをただ探しても、見つかるわけがありません。

 

 

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空いた時間ですぐ何かやる?

 

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「明日仕事が1つキャンセルになったので、〇〇さんとイベントやります!」そんなツイートをたまに見かけます。急に空いてしまった時間をすぐに別のカタチにできる頭の切り替えの早さと、実行するパワーにいつも勝手に関心してしまいます。

 

一般的に言われるような仕事のデキる人に共通しているのは、私が思うにそこ。予定していたことをその日予定通りにできることなんてないという前提で動いているので、きっと空いた場合にやることが常に行くつもストックされているのでしょう。1時間空いたとしたらデスクを整理しておこう!3時間空いてしまったら先に予定しているこの仕事をしよう!半日空いたら、出張を前倒しして現地で営業をしよう!そうやってすぐに何か別の有効な使い方が出てきます。「手が空いちゃったんですけど…」なんて言っているのを聞いたことはないし、空いた時間だけ進行中の仕事をのんびりやるなんてこともありません。(全て私の経験の中だけの話です。)新入社員で自己判断で勝手に変えられない立場の人などを除けば、きっと誰でもできることのような気がします。皆さんは、明日急に休みになったら何をしますか?

 

 

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居抜き物件ははじめやすい?

 

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 居抜き物件。以前あったお店などの内装が残っている物件を活用して、そこに新しいお店がオープンすることがよくあります。ラーメン屋さんなど、基本的なレイアウトが変わらないお店だったら、確かに内装にお金をかけずにはじめられるので、人気があるのも納得です。

 

ただ、少し考えてみると、そこは以前あった飲食店が何らかの理由で撤退した物件。立地があまりよくなかったり、客層がはまらなかったり、競合がたくさんいたりして、そこを出ていったわけです。もちろん、うまくいってたお店が移転した例もあると思いますが、それはきっとレアケース。基本的には、同じ物件で同じ業態をやるのは難しいと考えるのが自然です。近所に今あるラーメン屋さんは、前のラーメン屋の居抜きで入ったお店ですが、そのお店もその前の居抜きで入ったお店だったりします。決して、居抜き物件がわるいなんて思ってませんし、活用してうまくいっているお店もたくさんあります。ただ、そこはすでに誰かが試してみた道。はじめやすくて、さらにそこが空いているということは、よっぽどの力がない限りそこで戦うのは難しいはずです。

 

 

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とりあえず返事をする?

 

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「お疲れ様です」と言われたら、その人との仕事のことが頭に浮かんでも、ひとまず「お疲れ様です」と返します。街中で偶然会った友達に声を掛けられて、「あっそういえば借りてた本まだ読み終わってないけど、早く返さなきゃいけないんだよなぁ…」と頭をよぎったとしたって、まずは「おぉ!久しぶり!」となります。何か言葉を投げかけられたら、とりあえず返事をするわけです。

 

でも、メールになると、そんな当たり前にしていることが途端にできなくなります。言葉を投げかけられても返事をしません。極端な言い方をすると無視しているのと同じ。「メール見ました」でも「これから確認します」の一言でもいいのに、その場で返さないままにしてしまいます。終わっていなければいけないことが終わっていない。質問の回答がまだ揃えられていない。ただただ面倒…。そういった返さない理由が色々とあるのかと思いますが、返事ぐらいはするべき。直接会った際に、「先日お送りしたメールですが、ご確認いただけましたでしょうか?」と聞いて、「あ~見ました」なんて返ってくると、本当にびっくりします。

 

 

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煽るなら煽っただけ?

 

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「○○な人が絶対に知っておくべき10のこと」そう煽れば、その本を手にとってくれる○○な人は、きっと大勢いるはずです。対象を特定した表現、見なきゃ損をしてしまう気にさせる表現、数字を使う表現…煽る表現は、確かに気になってしまいます。

 

でも、実際にその本を読んで、「これ、○

○な人に限ることじゃないよね?」「絶対って言うほどのこと?」「最後の2つは、無理やり10にするためのこじつけ?」なんて感じることもあります。煽ってあげたハードルに、中身が追いついていないわけです。前述の煽り方をしたなら、読んだ人に「○○な人は確かに知っておくべきだ」「10個のどれも大事だな」と思ってもらえないといけない。ハードルはできるだけ下げておいたほうがいいとか、煽る表現はダメだと言っているわけではありません。実際の中身とズレたことを伝えたら、結果的に自分たちがわるい印象を抱かれてしまうということ。煽り気味の表現の中にも、きちんと内容が伴っているものもありますが、せっかく利用してくれた人が残念な印象を持って去っていくこともあります。目的がとりあえずたくさん人が来てくれたらいいのなら別ですが、来てくれてファンになって欲しいのだとしたら、煽りすぎは要注意です。

 

 

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最適解を拒否しちゃう?

 

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 家の中を除菌する方法をAIに尋ねたときに、「霧状の薬で部屋を充満させてください!」と回答がかえってきたとしたら、効率が最もよく安全性も保証されていて安価な方法だと理解はできても、私たちはその方法を選ぶことをたぶん躊躇します。もしくは、選ぶとしても心配になって自分で調べてみたりする。あくまで仮説ですが…。

 

分かりやすい例は、車のナビ。ナビが示す最適なルートを無視するのはよくあることです。自分が良いと思うルートで進みたい。私たちは、最適解を求めている一方で、拒絶したり無視したりするわけです。これからどんどんAIが発達して、どんなことでも最適な答えを出してくれるようになったとき、私たちはそれを受け入れられるのかとふと考えてしまいました。もちろん、そういった利用者の嗜好も踏まえた答えをさらに出してくれるのだと思いますが、同時に自分で考えた方法を選びたいという思考も残り続けると思います。AIが発達したら、人々はどんどん考えなくなってしまうという不安の声もありますが、何だかったいって、その答えで本当に良いか考えてしまうような気がしています。最適解に満足してしまったら分かりませんが…。

 

 

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回覧板はお知らせが目的じゃない?

 

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 町内の回覧板。今の時代、お知らせはスマホで確認できるし、紙に何かを記入するよりもメールで送る方が間違いがない。回覧板は必要ないんじゃないか?と思う人も多いと思います。でも、回覧板の目的は、お知らせや集計をとることではありません。地域のコミニュケーションが目的です。

 

確かに回すのが面倒だったり、自分のところで止めてはいけないプレッシャーがあったりと、いまいち必要性を感じにくいツールですが、隣人同士が顔を知っている、一周したらその地域の人が無事なのが分かるなど、メリットがたくさんあります。例えば、いざ災害があったとき、隣が高齢者の一人暮らしだと知っていれば声を掛けられるわけです。ただ、最近はあまり見かけなくなって、特にマンションなどの集合住宅では、エントランスにお知らせを貼ればいいと考えてしまいます。ご近所付き合いが苦手な人もいますし、干渉されたくない・顔を見られたくないと思う人も多いとは思いますが、そういった地域コミニュケーションツールは、いざというときにとても重要な役割を果たします。今の時代なら、どんなツールがあれば、どんな仕組みがあれば、同じようなことができるんでしょうね。

 

 

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利用者を減らす方法は具体的?

 

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 東京オリンピックの期間中、首都高速の日中の利用料が高くなります。そうなれば、「そんなに高くなるなら下道でいいや」となります。やり方はともかく、利用者を減らす方法としては分かりやすいし、実際に減るのがリアルに想像できます。

 

利用者を減らす方法は具体的。むやみにトイレを使って欲しくないからと、お店を利用した人しか使えない仕組みにする。駅のトイレまでもう少し我慢しようとなるのが想像できます。利用者を増やす方法を考えていると、これなら増えるだろう♪といった仮説を立てるものの、そこにリアリティーがありません。でも、利用者を減らす方法を考えて出てくるアイデアは、とても具体的だったりします。それなら、減らす方法を考えてその逆をいけばいい。そう考えてみてはいかがでしょう。前に挙げた例だと、安くすればいいといった安易な答えにしかなりませんが、例えば、全面喫煙可にしたらお客さんが減ると考えたら、全面禁煙にしたら増えるという発想になります。無愛想なお店は行きたくないと考えれば、愛想を良くすることが行きたい理由になったりする。考えやすい方で考えて、その逆の答えを出す。ぜひお試しを。

 

 

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影響を受けるから離れる?

 

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 いろんなものを見て勉強したほうがいい。そんなふうにアドバイスされることがほとんどですが、あるとき、「あなたはむやみに見ないほうがいい」と言われました。それは当時の私が、見たものに影響されてしまう傾向にあったからです。

 

ネガティブな思考の人が多い環境にいたら、自分もネガティブな思考になる。ワンマン経営の会社にいたら、トップの考え方と同じように考えるようになる。そんな感じです。学生の頃は、魅力的に感じたデザインに影響を受けて、同じような造形を好むようになりました。決してわるくないのですが、影響されすぎてしまうためにそう言われたのだと思います。いろんな影響を受けて自分に蓄積していくのは言うまでもなく大事なことですし、影響されすぎないのならどんどんいろんなものに触れた方がいい。ただ、その時々で偏った思考になってしまうようで、それを自身でコントロールできないのなら、影響されるものから離れるのも1つの方法です。特にフラットな状態で何かを考えるような仕事をしている人は、影響を受けることが必ずしも良いとは限らない。知見を広げるためにやっている自覚があっても、気付かないうちに染まってしまったりします。

 

 

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求めていない情報を得る?

 

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 何かの情報を得たいとき、ほとんど人はネットで調べます。そして、ダイレクトに求めている情報が提示されます。でもそこには求めていない情報がありません。関連情報や利用者の嗜好に合わせて情報は出てきても、全く求めていない情報は出ない。

 

私は漠然と刺激や情報が欲しいときに、本屋さんをグルグルしたり、街をぶらぶらしたりします。目的があったとしても、そこら中に求めていない情報が散らばっていて、それが急に欲しい情報に変わったりするからです。仕事をしていると、たまに欲しい情報だけを周囲に聞いて仕入れている人がいますが、それだとその仕事の過程で必要最低限の情報しか得ることができません。自分で調べていないので、その必要最低限の情報すら身につかないことも…。自分が求めている情報には偏りがあります。だから、その回答ばかり集めていると自然と偏った知識になってしまいます。一方で、求めていない情報はもともと関心がないことだったりするので、新たな知識として身についていくわけです。「自分の表現の幅が広がらない…」「ここ数年変化がない…」といった悩みを抱えている人は、ぜひ求めていない情報に触れてみてください。

 

 

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現物が目の前にある安心?

 

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 世の中がどんどん便利になっていく一方で、それを使いこなせなかったり、使えても不安だから使わなかったりする人がいます。そのあたりは高齢者に限らず、若い世代でも共感できるところがあるのではないでしょうか。これから考える必要があるのではないかとふと頭によぎっています。

 

現物が目の前にある安心感。目に見えない不安感。ICカードの方が運賃が少しお得だと分かっていても切符を買うし、キャッシュレスが便利だとは分かっていても現金派。IHクッキングヒーターが安全で機能として何の遜色もないと分かっていても、火が点いているガスコンロを好む人もいます。何の気なしに使っているwifibluetoothだって、理屈が分かっていても目に見えないことをふと不安に感じたりします。便利になっているようで、一部の人は不安になっているかもしれない…。そう考えると、実は窮屈になってきているのではないかとも思ったりします。みんなが普通に利用している銀行だって、キャッシュカードだけだったらここまで普及していないかもしれない。残高が目で確認できる通帳があるからこそ安心してお金を預けられるような気がします。

 

 

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今日を空けておく?

 

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 テレビで観た美味しそうな料理。何がなんでもそこで食べたいぐらい魅力的だったら、1年先の予約でも待てるかもしれませんが、ちょっと食べてみたい程度で明日お店に行っても食べられないのなら、そこで食べようと思いません。

 

実績十分で認知度も高く、ひっきりなしに仕事が舞い込むような人には全く必要のない話ですが、そうではない人は、飲食店で言うところの「明日食べられるお店」にしておく必要があります。せっかく一度会ってみたいと声をかけてもらっても、すぐに会えないのなら…諦めてしまいます。だから、明日会えるようにしておく。十分なゆとりを持って仕事ができるスケジュールにしておくという意味ではありません。どんなに忙しくても、何かあったときに空けられる工夫をするという意味です。極端ですが、明日やるべきタスクを今日やって仕舞えば、明日は少し空きます。今日を空けなければいけなくなったら、明日その分をやる。受け入れすぎてパンクしてしまのは、かえって相手に迷惑を掛けてしまうのでオススメしませんが、声を掛けられたときに応えられる体制で常にいることが大事だと思っています。

 

 

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感想をしっかり伝える人?

 

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 ここ最近「この人はきっと仕事ができるんだろうなぁ」と思う人によく出会います。理由は、こちらがなげかけた何かに対して、しっかりとした感想を返してくれるからです。これは私が実際にその人に仕事ぶりを見て優秀だなと感じた人すべてに共通しいることです。

 

少し前になりますが、ある企業のサイトに記事を寄稿しました。間に運営会社が入っていたので、やりとりはその運営会社を通してでした。驚いたのは、その運営会社の担当者から長文の感想が届いたこと。記事を読んでどう感じたかだけでなく、その記事を企画して実際にやってみた感想や、これからやりたいことなど、赤裸々に語ってくれました。さらに驚いたのは、クライアントである企業の社員さんから長文のお礼のコメントが届いたこと。私の連絡先を知らないので、運営会社を通して私に送ってほしいと言ってくれたそうで、内容もさることながら、その行動に驚かされました。運営会社の担当の方も、メールのやりとりの中で一度も定型文で返信したことはありませんでしたし、必ず感想を添えてくれたのをよく覚えています。デキる人はしっかり感想を伝える。皆さんのまわりの方達はいかがでしょう?

 

 

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1つのダメで低評価?

 

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 人は何かを見たときに、ダメなところに目がいってしまうそうです。それは、私は良いところを見る!というタイプの人も同じで、ダメなところが見えるからそこを見ないようにしているわけです。他に良いところがたくさんあっても、残念ながらダメなところが目立ってしまう…。

 

例えば、自分の考えをシートにまとめて伝える。いろいろと盛り込みたくなる気持ちは分かりますが、その中にイマイチの内容や引っかかる表現が含まれていたら、せっかくの良い提案も、そこが目についてしまってわるい印象になってしまうことがあります。それなら、ダメだと思われる可能性の高いところは省いてまとめる。ここで言うダメなところは、デメリットや懸念事項を載せないという意味ではなく、矛盾点や共感を得られない偏った考えを載せないという意味です。一度「んっ?」と引っかかると、他にも粗があるのではないか?とネガティブな目線で見てしまったりします。主張できるポイントが少なかったり、提案に自信がなかったりすると、少しでもプラスになればと要素を追加してしまいがちですが、そうやった加えたものがその提案唯一のネックになってしまうこともあります。

 

 

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