境界をつくらない?
これまで育った環境の影響もあり、いろんなことに対してあまり境界をつくっていません。一般的に区別されているような業種や分野でも、それぞれ関わり合っているし、手段が異なるだけでやっていることは同じだったりします。それは、物事に対しても同じ。
私はデザインの仕事に長く携わっていますが、人によっては私を「プロダクトの人」「グラフィックの人」と線を引きますし、グラフィックの中でも「紙の人」「Webの人」と区切る人もいます。でも、私には境界がありません。そこで求められる表現や考え方、環境が異なるだけ。先日も、「デザインがモノからコトに…」といった消費の目的の変化が書かれた記事に対して、「モノのデザインが大事だ!」「コトを重視するべき!」といったコメントが寄せられていましたが、どうしてそこで線引きするのかが分かりませんでした。そもそもモノのデザインはコトを多かれ少なかれ含んでいるし、コトのためにはモノに魅力がなければいけない。「どちらが〇〇」はありません。専門性を持つことも、分けて考えることも大事なことではありますが、あまり境界をつくり過ぎると、思考が狭くなってしまうような気がします。