デザインのあてな

身近なところにデザインのヒント

やるための十分な時間?

 

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 だいぶ前の話ですが、ある公募コンペの情報が公開され、たまたまその日に募集要項を見てみると、提出期限が公開日の3週間後に設定されていました。これを短いと感じるか長いと感じるかは人それぞれですが、少なくとも主催者側は、3週間あれば十分だと考えていたわけです。もちろん、公開日から数日経ってみた人は、もっと少ない日数で仕上げなければいけない。その時間でも十分…。

 

何かの仕事を決められた時間内で頼まれたとき、それが自分の時間感覚とズレていると、それではできないと期限延長の交渉をしたり、不満を漏らしながらもどうにかその時間内で仕上げたりします。相手にもよりますが、あくまで私の経験の範囲では大抵その“決められた時間”は、適正な時間。どちらかと言えば、感覚がズレているのはこちら側ということがよくあります。別の言い方をすると、他の人たちはみんなその時間でできる。そこで短すぎると感じるということは、自分の力量が足りないということです。中には本当の無茶ぶりをしてくる人もいるかもしれませんが、時間を指定されたら、その時間でできることだと考えてみてはいかがでしょう。

 

 

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よく知らないから信用できない?

 

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 ある案件に携わるスタッフの初めての顔合わせ。私以外は、経験豊富で実績も十分な方たちばかり。なので、自分で言うのもなんですが、いつもよりしっかりと思ったことや自分の考えを伝え、まっとうな意見に対しては頷いてくれることも何度かありました。でも、その場で信用してもらえるまでにはなりませんでした。

 

ある人から後から聞いた話ですが、その時の私の発言や考えを良いと思ってはくれていたそうです。それでも信用に至らなかったのは、その人いわくよく知らなかっただけ。初対面というのもあり、どんなにまともなことを言っていても、よく知らない人は確かに信用できません。それが、素直で真面目で一生懸命であっても、やっぱりよく知らなかったら信用するのは難しい。言い換えれば、お互いに知れば距離は縮まるというわけです。信用してもらえる・もらえないの話になると、自分の実績や能力が足りないからだとか思ってしまうことがありますが、単純に相手が自分のことをよく知らないからというケースも多々あります。まずは、自分のことを相手に知ってもらう努力をしてみるだけで、信用の土台に上がることができるかもしれません。

 

 

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100%の力は出せない?

 

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 テレビで映画を観ていて、「このシーンは何回観ても手に汗握るなぁ」と話していました。特にこの音楽がドキドキさせるよね!なんて言っていたんですが、確かに周囲の環境が雰囲気をガラリと変えたり、冷静に見られなくなったりすることはあると思います。

 

例えば、ゲームでモンスターと闘うシーン。あの音楽がなかったら冷静に闘うことができるかもしれませんが、あの音楽があることで焦って判断を誤ってしまうこともありますよね。映像の効果などもあって、雰囲気を飲まれて100%の力が出せなくなる。これって、仕事でも似ているなと思って、なかなか実力が出せない人からの相談に冗談半分で「まず100%の力は出せないと考えてみてはどうか?」と話したことがあります。緊張やプレッシャーで仮にどんなに頑張っても80%の力しか出せないのだとしたら、その80%が相手の合格ラインになるように自分の力を上げるのはどうかと。相手の100点にしたかったら、自分の力を125点にしておけば、80%の力しか出せなくても100点になる。慣れや経験で克服できる人もいますが、なかなか出しきれない人もいるので、そんなふうに考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

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分かっているのにやらないの?

 

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「今の市場はこうなってて、ここを狙えば売れるようになってるんだよ~」「まぁ、こうすればお客さんの購入率は簡単に上がりますね~」その道の詳しい人と話をすると、よくそんなふうに指南をしてもらうことがあります。確かになぁと素直に受け取る反面、その話をしている本人の仕事はそれほど上手くいっていなかったりして矛盾を感じることも。

 

ストレートに言うと、「それなら、その通りにやったら儲かるんじゃないの?」とツッコミたくなるわけです。市場の動向も読めていて、売れる仕組みも理解していて、その手段も分かっているなら、それを実行するだけ。いじわるというか、単純にそこが引っかかってたまに質問してみると、これはうちの業種では当てはまらない、これを実行する条件としてある程度の企業規模と認知が…なんていう追加の話がポロポロと出てきます。そして、結局それは特定の条件下でしかできない方法だったりする。もちろん相手は親切で話してくれているので有難い話ではあるんですが、自分は何でも分かっているような振る舞いをすると、かえって信用を失ってしまうこともあるのではないかと思うことがあります。

 

 

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良いチームは補い合う?

 

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「良いチームにしたい!」「チームとして成果を出したい!」会社のプロジェクトチーム、イベントの運営チーム、スポーツ、いろんなチームがありますが、そんな声をよく耳にします。良いチームの定義は分かりませんが、私の考えている良いチームにはあまり出会ったことがありません。

 

特出した能力を持った人がいて、その人の力で結果が出ているチーム。個々の能力が高くて、連動しなくても結果が出るチーム。リーダーの意向に従い、その他のスタッフががむしゃらに向かい合って何とか結果を出しているチーム。どのチームも結果は出しているかもしれませんが、私は良いチームだと思いません。私は“連動すること”が、良いチームの条件だと考えています。誰かがミスをしたときに、すぐに他の人がフォローに入れるチーム。誰かを活かすために後ろで動いていて、それを活かされている方も理解しているチーム。ボールが止まらないチームなど、人と人がつながって連動しているチームです。そういったチームは、ちょっとやそっとのことじゃ崩れない強さがある。前述の成果を出しているチームたちは、一瞬で崩れてしまう脆さがあります。

 

 

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失敗しないようにやる?

 

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 ある提案。こと細かに考えて、入念に準備をして、自分なりの最大限のプレゼンをしました。…で、結果はダメだったんですが、その時の私の頭の中は、「あれだけ考えてやったのに…」でした。失敗したって構わないから思い切りやってやろうと意気込んだはずなのに、最初に出てきたのが後悔に近い感情で、本当は失敗したくなかったんだと分かりました。

 

口では「失敗したってかまわない!」と言いながら、これだけ考えてやったのに…と失敗したことを悔やんでいた時点で、私はいつの間にか失敗しないようにやる癖がついていたということ。そして、失敗しないようにやっていることは、周囲がおもしろいと感じないし、魅力も薄いということです。例をあげると、実現できるか分からない提案をしない、過去の成功例に近い、その提案でどうなるか容易に想像できる、など。失敗しないようにしている提案には、「実際にやってみたらどうなるか楽しみ♪」「これ本当に作ることができたら革新的だな♪」といったワクワクドキドキが無いんです。ポイントを抑えすぎというか…。相手の想像の余白があるから、面白いと感じたりそこに賭けてみたくなるわけなので、やればただその通りに進むことには魅力は感じないのかもしれません。

 

 

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多数決で負けたらアンチ?

 

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 会議などで最終的にどちらにするか多数決で決めることに。素直に自分が良いと思った方に一票入れるも、自分が入れていない方に決定。まあそんなこともあるかと思っていても、それが何回も続くと、「自分は周囲とズレているんじゃないか」「意図を汲めていないんじゃないか」と不安になってくることもあります。

 

周囲の意見に賛同しないことが目立つようになると、当の本人たちは「自分の意見は求められていないんだ…」と塞ぎこんでしまったり、「次からは意見を合わせられるようにしよう…」と自分の考えよりも周囲に合わせることを狙うようになります。結果どちらにしても萎縮してしまい、自身の考えを外に出さなくなる。「ちゃんと自分の考えを言いなさい!」と言われても言わないのは、それまでに拒絶され続けたから言わない可能性があります。私も若い頃、大多数の意見と合わないことが多々あって、アンチと言われることもあり、どうせみんなと違う意見を言いだすと煙たがられ、一時は同調するようになってしまいました。多数決は、民主主義的で一見良い選び方のようですが、少数派になった人たちを追いやってしまう点があります。

 

 

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それは本当に意味がなかった?

 

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 3ヶ月間かけてコツコツつくり上げた大作。そんな大作がコンペで落選したら、とてつもなく落胆します。来年またチャレンジしよう!なんてすぐには思えないくらい…。ただ、その大作をつくり上げたことに意味がなかったとは思いません。それが、これからの糧になることを知っているからです。

 

昔は、せっかくやったのに意味がなかったなぁ…と落ち込んで終わっていました。そのチャレンジを無かったものにしてしまっていたんです。次にチャレンジするときになったら、前回のことはスッカリ忘れていて、心機一転でチャレンジ。その繰り返しになっていたので、1つ1つのチャレンジがブツ切れになっていて次に生かされることがありませんでした。でもある時期からは、前回の経験を無しにするのではなく、反省点や良かった部分を踏まえて作品づくりをするようになりました。心機一転は、前回のモヤモヤを引きずらないという点では良いと思いますが、生かすという点が欠けてしまっています。それを意味のなかったことにするか、意味があったことにするかは、次のやり方次第。過去の経験は自然と生かされるとは思いますが、意識的に生かそうとするだけで、それまでのことに意味があったと素直に実感できます。

 

 

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“あなたのため”が心地わるい?

 

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 最近接した人で、この人は気持ちいいな♪と思った人がいます。「私はこうしたい!」とはっきり言う人で、何をやるにしても自分の意思として相手に伝えます。「私の意思じゃないけど…」とか「あなたのためにこう考えた」とは言わないし、相手にもそう感じ取らせません。

 

会社で同僚とランチ。「今日は何が食べたい気分?」「さっぱり系かなぁ」「じゃあ蕎麦にしようか?(あなたに合わせて)」自分が食べたいわけではなく、相手が食べたいものに私が合わせた。としてしまうわけです。「それなら蕎麦が食べたい!」と言ってくれた方が、なんだか気持ちがいい。相手のことを考えた言動は言うまでもなく大事なことだし、そういった相手を思いやる優しい気持ちを持つ人は好きです。でも時に、あなた自身はどう考えているの?と追求したくなってしまうこともあります。相手に誤解されてしまうこともあれば、仕事をするパートナーとして信用してもらえなくなることもある。状況に応じて、自分の意思をちゃんと伝えることも重要です。つい使ってしまいがちな「あなたのために私はこうします」を「私はこうしたい!」に変えてみてはいかがでしょう。

 

 

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サボテンを育てられたら?

 

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 インテリアコーディネートの仕事をしている関係で、どういう物がどこで手に入るのか聞かれることが多いんですが、先日、オシャレな観葉植物をお部屋に置きたいという相談がありました。今までどんな植物を育てたことがあるのか尋ねると、「サボテンを枯らしちゃったことがあって…」。

 

私は、お手入れが簡単で室内でも育てやすい植物を勧めましたが、珍しい植物を望んでいるようで、結果的にフェイクグリーン(人工観葉植物)を提案しました。珍しい植物は、その分育てるのも大変。はじめは育てる気満々でも、サボテンを育てられない人が育てるのは難しいと判断しました。育てやすい物からはじめて、育てられるようになってからステップアップしてみたらどうかと。華やかなところに飛び込みたくなる気持ちは誰しも持っていますし、私も例外ではありませんが、やっぱりそこに行くには段階を踏まないといけません。飛び込むことは可能でも、不本意な結果になることもしばしば。勢いで飛び込んで上手くいくケースもなくはないのですが、それはごく稀なこと。目の前に飛び込める環境があるのに、段階を踏んで進むのはもどかしかったりもしますが、目指していることをいつか楽しむためには確実な方法です。

 

 

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使うものだから大量発注?

 

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 お店で使う紙袋。ずっと使い続けるものだから多めに発注しても問題ないし、大量発注の方が単価が安くなるから経済的♪そうして届いた大量の紙袋を保管するための場所には当然家賃がかかっています。1年で消費する量だったら、約1年間のそのスペースの家賃がかかるわけです。

 

私が10年ちょっと家具屋さんで働いていて良かった点の1つが、在庫管理や物流の部門に関われたこと。そこで、どうしてその発注単位にしているのか?なぜそのタイミングで発注しているのか?などの理由を知り、あくまで基本的な考え方ではありますが身につけることができました。極端ですが、今必要はなくても発注した方が良い場合もあるわけです。前述の紙袋なら、単に発注単価だけで判断するのはNG。使用ペース、保管場所、賃料、商品の劣化、代金の支払時期…。何かの事情でデザインを変更せざるを得ないタイミングがきても、大量に在庫を抱えていたら切り替えることができません。結果処分しなければいけなくなることも。もちろん発注する方はいろんなことを想定しているとは思いますが、やっぱり専門的に在庫管理や物流に携わっている人に比べると、予期せぬ問題に見舞われることもあるので、近くに詳しい人がいたらぜひ聞いてみてください!

 

 

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自然薯が食べたい?

 

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 都心に山芋料理専門店がオープンしたとテレビで観て調べてみると、私の住んでいる地域の近くにも系列店がオープンしていました。「自然薯美味しいんだよね~」「むかご食べる機会なんてなかなか無いよね♪」山芋専門店と聞いたら、自然と興味が湧いてきました。別に他のお店でも食べられるものなのに…。

 

自分たちも同じものを提供できるのに、他を選ばれてしまうケースを誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。自分も他も質は変わらない。むしろ自分たちの方が強みがある。それでも他が選ばれるのは、特化しているから(もしくは特化しているように見せているから)です。田舎料理のお店より青森県産にこだわったお店の方が選ばれやすいし、青森県産にこだわったお店よりも山芋専門店の方が選ばれやすい。若い頃、「“何でもできる”は、“何にもできない”と思われる」と教えられたことがありますが、私もマルチに仕事をしているので同じように思われてしまうケースが多々あります。もし、相手が求めているものが分かっていたら、それに特化して伝えてみるだけで、全部を伝えているときよりも選ばれやすくなるかもしれません。

 

 

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同じことを考える人がいる?

 

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「これって簡単にやる方法ないのかなぁ」と思って「〇〇を△△する方法」と検索すると、質問箱やYahoo知恵袋などがヒットします。疑問に思った人が質問してくれているので便利は便利なんですが、自分と同じようなことを考えている人は結構いるということでもあります。

 

発想力やオリジナリティの出し方について、たまに質問されることがありるんですが、私は「基本的には同じことを考えている人がいる」と考えるようにしています。だから、何かアイデアを考えたら、それが存在するかどうかを確認します。全く同じアイデアが見つかれば、その発想は誰でも思いつく発想。同じアイデアでも切り口が違っていたら、その切り口は自分の個性だと捉えます。それを繰り返していくと、他の人と重複しないポイントが少しずつ見つかって、他との差別化が必要な場合に自分の中で自由に引き出せるようになります。自分の発想は他の人とは違う!と自信を持つのは良いことですが、自分の発想のほとんどは他の人も考えることだと思って意識しておくことも大事。みんなが考えることを自分なりに考え直してみたりすると、かえって自分の個性が見つかったりします。

 

 

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はじめの一杯はすぐ出す?

 

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 仕事終わりに居酒屋で一杯。ビールを注文したら、ほとんどの店員さんはすぐに持ってきてくれます。今すぐにでも飲みたいことを分かっているからです。他の料理が出来上がっていて運ばなければいけなくても、はじめの一杯はすぐに出す。

 

ある会社で「この内容で見積もりを頂けませんか?」と、今まで取引のない会社から木曜日に問い合わせが入りました。その対応をしたスタッフは、週明けまで放置。当然上司に怒られるわけですが、本人は他の仕事も抱えていて、見積もりを出すにもいろいろと確認が必要だから今日(月曜日)に出すつもりだったと主張。初めてのお客さん。すぐに欲しいに決まっているのだから、第一優先で送るべきなんですが、いまいちピンときていないようでした。少なくても、木曜日中にいつ見積もりを出すか返事をすることはできるはず。そんな話になると、「そしたら全部すぐに返さなくちゃいけない!」となってしまうのですが、そういうことではありません。初めの対応はとにかくスピーディーに。相手がすぐに欲しいと思ってることには、ほとんどの場合、誰が考えても時間のかかる作業やすぐに返せない答えは含まれていません。

 

 

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