デザインのあてな

身近なところにデザインのヒント

お気に入りでチカラを発揮?

 

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 先日ご依頼いただいたロゴマークの制作が佳境に入り、どのデザインにするかを検討していただいています。意味合いや使い勝手、競合との差別化など、提案それぞれのお話は伝えますが、私はロゴマークについてはご依頼いただいた方が最終的に気に入ったものができるように進めています。

 

皆さんは、自分のお気に入りの道具を使うと作業がはかどる♪といった経験はありませんか?「考え事をするときは、このペンを使う」「大事なメモはこのノートに書く」「勝負所では、必ずこの服を着ていく」それらは、機能的な良さもあるとは思いますが、それよりもデザインが好きだったり、愛着のあるものだったりするのではないでしょうか。それと同様に、自分がこれから立ち上げる会社のロゴマークだったら、自分が気に入ったデザインの方が、私はチカラを発揮すると考えています。他人からこれがベスト!と差し出されたものより、自分が気に入ったベスト。理屈ではないところに、見えないチカラが宿っていると思います。それも立派な機能なんですが、知識や経験が増えていくとおざなりにしてしまうことも…。私はそのあたりはずっと大事にしていきたいと思っています。

 

 

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代案を出せるスピード?

 

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 新型コロナウイルスの影響でCMの撮影が中止になり、それでも作らなければいけない状況で出演者にそれぞれ自撮りをしてもらい、それを編集したCMが話題となっていました。そのアイデアはもちろん素晴らしいものですが、私はその代案を実行するスピード感に驚かされました。

 

代案を出せるスピード。素晴らしいアイデアを1つ出せるのは言うまでもなく求められることですが、私はそれ以上に代案をすぐに出せるチカラが求められていると思っています。なぜなら、ベストな1案に着地するまでに、あらゆる可能性を模索したか?シミュレーションをどれだけ重ねたか?が分かるからです。提案の場などでは、「その表現じゃなかったとしたら、他にどんな表現が考えられますか?」といった半分いじわるな質問をされることがありますが、それはどれだけ試行錯誤したかを試されている質問。そこで、初めから決め打ちでそのアイデアだけを詰めたのか、他の可能性を模索したかがバレてしまいます。代案をすぐに出せる人は、一見発想力やアドリブ力が飛び抜けているように感じますが、そうではなく、それまでに考えていた様々なパターンの中から柔軟に出し入れしているのではないでしょうか。

 

 

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手袋は汚れている?

 

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 ビニール手袋をしている店員さんを見かけると、衛生面に気を配っているんだなと一瞬思いますが、その手でお釣りを渡していたら、そのビニール手袋で覆われた手自体はキレイではありません。あくまで、自分の手を通してウイルスを媒介しないようにしたり、他人からウイルスをもらわないようにするためのものです。

 

マスクや手袋など様々なものがありますが、それらが予防のために身に付けているのか、誰かに移さないように気を付けているのかを、きちんと認識しているのかが少し気になりました。あくまで予想ですが、医療従事者や店員さんなどを除けば、ほとんどの方は予防のために付けているのではないでしょうか。私ももともとはそうでしたが、誰もが感染している可能性があるというニュースを観て、誰かに移してはいけないと考えるようになりました。街中でマスクをしていない人も多くいますが、それはきっと「もし移ったら自己責任だから」ぐらいの感覚なのだと思います。なかなか手に入らないので、仕方なく付けずに外出している人もいるかもしれませんが、予防のためではなく、移さないためと認識するだけで、装着する頻度が変わります。私は普段だったらマスクを付けませんが、ちょっと自販機に飲み物を買いに行くぐらいでも付けるようになりました。

 

 

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ゆる〜い発想が画期的?

 

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 普段から時間を作っては、トレーニングとして公募のデザインコンペに作品を応募していて、無い頭を振り絞ってアイデアを出しています。最近は、時間に余裕ができることが多いので、普段は参加しない面白そうなコンペに応募してみています。その時は、普段のようにトレーニング的な思考ではなく、ゆる~く考えて、くだらないようなアイデアも良しとしてやっています。

 

すると不思議なことに、机に向かって一生懸命考えてペンを走らせているときよりも良いアイデアが出せたりするんです。ソファで寝っ転がって、そこらへんの紙にちょこっとメモしたり、スマホをいじったついでに一言残しておいたりするだけ。でも、そんなゆる~く考えたアイデアが、絞り出したアイデアよりも、核心を突いたものだったりすることが私の場合は多いんです。その方法が良いわけではなく、むしろ机に向かって良いアイデアが出せないといけないわけですが、一生懸命考えると、辻褄を合わせることやきれいにまとめること、欠点を無くすことなどに注意が向いてしまいます。だから、なかなか画期的なアイデアは出ない。一方で、ゆる~く考えていると、その時は「こんなの成立しない…」と思うものの、それを詰めたら素晴らしいアイデアに化けたりします。皆さんも、こんなときは、ゆる~く考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

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旅行に行こう??

 

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 外出できない日々が続き、悶々としてストレスが溜まっている人が多いそうですが、こんなときこそ、普段行けないところに行ってみてはいかがでしょう?出掛けると言っても、実際に行くわけではなく、動画を観て旅行気分を味わう「お出掛け」です。

 

先日のニュースで、動物園や水族館のスタッフが自ら動画を撮って、動物や魚たちの様子を公開する活動をしていました。普段は遠くてなかなか行けなくても、今なら動画を通してのぞいてみることができますよね。また、私が何度もお世話になっている「ニッポン手仕事図鑑」という動画メディアでは、日本全国の職人さんを紹介する動画を無料で公開しています。「こんな仕事があったんだ…」「こんな人が作っているんだ♪」「できたモノを実際に手にとってみたい!」と、知らないことに触れられたり、感性を刺激されたりと、動画を観るたび楽しんでいます。普段、ゆっくり動画を観る時間がなかなか無い人、動画は観るけど興味のあるものしか観ていない人、新しいことに触れたい人がいたら、こんなときこそワクワクできる知らない世界をのぞいてみてはいかがでしょう。

 

 

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自分が食べていくだけなら...?

 

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 大きな会社がすぐに従業員を在宅勤務にしたり、手当を支給したりしているニュースをみて、「うちの会社がそんなことしてくれない…」と文句が出てきたりしています。変わらず出社をしている会社や、自粛せず営業を続けているお店をみて、「みんなで協力していかないと…」と非難したりします。

 

そういった声を聞いて思うのは、経営者と従業員では、考え方が全く違うということ。私は現在、フリーランスとして活動しているんですが、自分一人が食べていけるようにするだけなら、頑張ればどうにかできます。でも、以前勤めていた会社で経営が苦しくなった時、自分のチームのメンバーの給料が払い続けられるようにするのは、とてつもなく大変な経験でした。経営者が自分だけ守るなら、前述のような決断がすぐにできるかもしれませんが、従業員を守ろうとしたら、どうにか利益を確保し続けようとするのはごく自然なことです。だから私は、そういった会社を簡単に非難できません。そんなことを考えていると、決して経営が順風満帆ではないであろう会社が、在宅勤務や営業自粛に切り替えているのを知るたびに、苦渋の決断をしているんだなと頭が下がります。今月の自分の給料のことを心配するのと、向こう数ヶ月の従業員全員の給料を確保する術を試行錯誤するのでは、全く違います。

 

 

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新しいゲームを考える?

 

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 少し前に、このブログで昔の人は暇にならないといった内容の記事を書きました。子どもの頃から何かを提供されるのではなく、自分たちで工夫して遊んでいたから。そう言った手前、私も家の中で楽しめる遊びを考えて提示しないとと思い、先日簡単に作れるボードゲームを公開しました。

 

「Speed or Power」と名前をつけたボードゲームで、敵味方6つずつ駒を置いて、相手の駒を全部取るか、相手の陣地に入ることが勝利条件のゲームです。特徴は、駒が重ねられる点。2つ重ねれば、1つの駒からは取られない強さが得られますが、その分機動力が失われるというものです。(ルールは動画をご覧ください!)このゲームが良いかわるいかはさておき、ゲームのルールを考えるのは、仕事にも活かせるとても良いトレーニングになるなと実際にやってみて思いました。「こうしたらこうなるけど、ここがネックで…」「先行後攻で有利不利を無くすには…」「飽きられないためには…」と、あらゆる点から詰めなければならなかったからです。そして、実際にやってみないと、問題点を見つけられなかったりして、「こうやって問題点を見つける方法もあるのか」と発見もありました。試しに新しいゲームのルールを考えてみたら、おもしろい発見があるかもしれません。

 

 

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こんな時こそ腕の見せ所?

 

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 クリエイターやクリエィティブといったフレーズが苦手で、私は自分でそれを使うことはありません。理由ははっきりしていませんが、たぶん自分の描いているクリエイター像と、実際にそのフレーズを使っている人たちの間にギャップがあるからだと思います。ただ、それが合致している人も当然いて、いつもその方たちの行動には頭が下がります。

 

例えば、今は世の中が大変なことになっていますが、そんな中でもいろんなアクションを起こしているのは、私の理想のクリエイターさんたち。普段から、課題解決などはもちろん、人を笑顔にさせる仕事をしているのだから、今ほどそのチカラを使うときはありません。先日も、率先して行動しているある人をSNSで見かけましたが、やっぱりというか、その人は私が思う一流の人。普段、クリエイターを名乗っている人たちの行動はあまり見かけませんでした。補助や支援の制度を分かりやすく整理して伝えている人や、支援を申し出ている人たちの方が、よっぽどクリエィティブ。せっかく何かを変えられるチカラを持っているのなら、それが効果がある無しに関わらず、何かアクションを起こしてみてもよいと考えてしまうのは、おかしいことですかね。

 

 

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多くを語らない?

 

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 私が慕っている人には、多くを語らない特徴があります。「これはこういうことなんだ!」などのそれっぽい言葉も投げかけないし、自分がやることをいちいち語りません。なので、私が慕っている人のほとんどはSNSなどをやっていませんし、食事をしたりしてもくだらない話をするだけ。口数の多い人が苦手で、背中で語るタイプの人が好きなだけかもしれません。

 

人の気持ちを動かすのは、人。その人のことが伝われば、それ以上に何かを語る必要もないとよく思います。心を打たれるような行動をしていたら、それだけで十分だし、その人を見れば、裏側で大変な苦労をしているけど表に出さないだけだと分かります。私はデザインの仕事の中で、キャッチコピーや説明文を考えたりもしますが、時に語れば語るほど胡散臭くなってしまうことがあります。少しでもそう感じたら、もちろん手直しをしていくのですが、そういった場面でも度々、語りすぎることのデメリットを感じたりします。多くを語らない。偉人の名言などに心を打たれるのは、その言葉自体ではなく、その人が言ったことだから。結局は人なんだと、自分が心を打たれるたびにそう思います。

 

 

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間違い探しの癖?

 

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「この絵の中に間違いが3つあります。どこでしょう?」という問題があったら、そこまで難しくなければ、ほとんどの人が3つ見つけられます。何もなくその絵を見せられただけだったら間違いを見つけることすらできません。…というか、間違いがあると思って見ません。また、4つ目の間違いがあっても、見つけられません。

 

私たちは、何かに限定して物事を見ていれば、その限定した条件に当てはまることを見つけられます。それは、仕事でチェックをしたり、何かのプランを実行するときに穴がないか見つけたりするのには効果的です。わるい例だと、粗を見つけてやろう!と思えば、何かしら見つかるでしょうし、ミスしないかな~と思って見ていれば、小さなミスはいくらでも見つけられます。それとは別に、目立つ大きなツッコミどころがあると、その他のことに目がいかないという習性もあります。私たちがツッコミを入れているポイントは、自分が勝手に限定したから見つかっただけの他愛もないことかもしれませんし、本当に問題に挙げられるべきことをカモフラージュするために見つけやすくした目立つポイントなのかもしれません。いずれにしろ、本質が見えていない場合もあるのでご注意ください。

 

 

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みんなから好かれようとしない?

 

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 私は、随分長い間、あまり人と関わらないようにしてきました。苦手意識や人間関係の面倒くささがあったのでしょう。それなのに、人からは好かれたいという、どうしようもない時期がありました。そんなときに、ある人から「みんなから好かれようとしてもダメだよ」とアドバイスをもらって、そこから変に考えることなく人と接するようになったのをよく覚えています。

 

他の人には当てはまらないかもしれませんが、私が指摘されたのは、「誰からも良く思われたいから、誰からも信用されない。信用されていないのが分かるから、離れようとする。」ということでした。ズバリその通り。それ以降、自分をさらけ出してもし嫌われてしまっても、それはそれで仕方がないと考えるようになりました。すると、自分で言うのもなんですが、不思議なことに結構な人が好意を持ってくれたんです。あくまで自分がそう感じただけの話ですが…。多くの人から好意を持たれている世の中の人たちは、たぶん、みんなから好かれようとしていないのではないでしょうか。私もまだ少し昔の名残りで格好つけてしまうこともありますが、好かれようとして発信した言葉や行動には、魅力を感じてもらえないのかもしれません。

 

 

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座学の時間?

 

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 先日、SNSで「美術大学の推薦図書」や「プログラミングのおすすめ参考書」といった記事を見かけました。家にいる時間が長くなったことで、普段よりも本を読めるので、いろんな人たちが、自分が役に立った本を紹介していました。確かに前向きに捉えれば、座学をするのにうってつけのタイミングですね。

 

私は20代の頃、闇雲にいろんな本を読み漁っていましたが、なかなか集中して読むタイミングがありませんでした(というか、作らなかっただけですが…)。じっくり集中して本を読むようになったのは、ここ最近。年齢を重ねたこともありますが、電車の中で読んで受け取れる情報と、家で静かに集中して読んで受け取れる情報は意外とちがうもので、何度も読んだ本のはずなのに、「あ~なるほど~」なんて思ったりしています。どちらかというと、いろんなものを観て、触れて、体験して、体を動かして学ぶ方をオススメしていますが、こんなときは、座学に集中してみるのもアリ♪先行きが不安で落ち着かなかったり、物事を前向きに捉えづらかったりしたら、いま新しい知識を身につけておいて、数ヶ月後に生かす計画を立ててみてはいかがでしょうか。

 

 

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シミュレーションしてから実践?

 

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 ある女性タレントさんは、テレビ収録の前に何度もシミュレーションをすると聞きました。「この質問が来たら…」「答える時間が3秒しかなかったら…」「話を振ってもらえなかったら…」と、友達に協力してもらって、できる限りリアルな状況で、自分では思い付かないことも洗い出して、シミュレーションを繰り返す。それでも、上手くいくことはほとんど無いと言っていました。

 

シミュレーションをすると、リスクマネージメントだけではなく、柔軟に対応できるアドリブ力、予期せぬ幸運が起きたときにそれを逃さない瞬発力など、実践で役立つ能力が身につくメリットがあります。私の仕事でも特に重要で、様々な利用者を想定してシミュレーションをします。ただ、誰を相手にするかが予め分かっていれば、その人を想定してできますが、利用者が不特定多数の場合は、何となくのイメージでシミュレーションしてしまいがち。それでは意味がないので、そんなときはペルソナ(個人が特定できるぐらい細かな人物像)を作って、その人に対してシミュレーションを行います。これをやって、わるい方向に転ぶことはまずないので、何としてでも成功させたい!ってときは、ぜひやってみてください。

 

 

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自分と違う意見...なぜ?

 

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「なんでこうしないだろう?」「どうしてそんな方法を選ぶの?」「〇〇な人たちのことを全く考えていない!」...誰かが決めたことが自分の正義や価値観、常識から外れていると、“おかしい”と捉えてしまいます。自分が影響を受けることなら、感情的になって極端にそう捉えてしまうのも理解できます。私も例外ではありません。

 

こんな悠長なことを言っていたら怒られるかもしれませんが、こんなときだからこそ、なぜ自分(の価値観)と違う意見なのか?を冷静に考えてみるのはいかがでしょう。その人の立場だったら、どういう視点で物事を判断しなければならないかを考えることは、デザインをする上でとても大事なポイントだと思っています。経営者と従業員。表面的には互いの立場を理解しているように見えても、最終的に出す結論が異なるように、本当にその立場に立って考えるのは意外と難しいものです。なので、本気で考えてみると、自分が普段出す結論とは違う答えが出てきたりします。どの答えが正解なんてものはありませんが、「自分と異なる結論に至ったのも理解できる」となるだけで、考えの幅や物事の捉え方がものすごく広がります。

 

 

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